シリーズ名の理由についての書いてみました。
前回のブログにコメントを頂きまして、興味を持って頂ける方がいらっしゃるようなので、書いておこうと思いました。
前回書いた大変有り難い組み合わせレンズの計算ツールは、レンズ10個まで計算できますので、Lunt 50のレンズ系について計算してみました。
【光学系の設定】
物体距離 1000000
第1レンズの焦点距離 350 (対物)
第1-第2レンズの間隔 190 (実測)
第2レンズの焦点距離 -161 (エタロン前)
第2-第3レンズの間隔 38 (実測)
第3レンズの焦点距離 161 (エタロン後)
【出力の設定】
単位 mm
で計算すると、
物体位置 1000000[mm]
、合成焦点距離 350.51[mm]、
像位置 160.12[mm]
となり、実測値とだいたい辻褄が合います。第2レンズは凹レンズで、-161とすると、エタロンユニット内で平行光線になります。
エタロンユニットは同じとして、別口径のF6望遠鏡で同様に計算してみると、おおよその結果は以下のようになります。
72mmF6(Kasai Blanc 72SED)
第1レンズの焦点距離 432
第1-第2レンズの間隔 272
像位置 160
100mmF6
第1レンズの焦点距離 600
第1-第2レンズの間隔 440
像位置 160
150mmF6
第1レンズの焦点距離 900
第1-第2レンズの間隔 740
像位置 160
この計算では、エタロンユニット内で平行光線になり、望遠鏡の実験として工作して試せそうな数値なので、F6望遠鏡を試しています。
このツールを使えば、実は任意の焦点距離の望遠鏡で、Lunt 50のエタロンユニット内で平行光線になるための設置位置が計算できます。しかし、エタロンユニット内のレンズの焦点距離と間隔が正しいのが前提ですので、その値の検証を行うためにも色々なF6望遠鏡で試す意味があります… ちょっと苦しい。F6の望遠鏡ってそんなに無いし… F6以外ではムラが出たりする謎がまだある… F6より暗ければ、レンズの大きさの効果はそのまま出るハズだが…
最後は自問自答になりました。
こんにちは。
光学系の設定で実測とあるのは、誰かがLUNT50のエタロンユニットを分解して
実測したということでしょうか?
LUNT50とLUNT65のエタロンユニットはサイズが全く違う事はご存じでしょうか?
それとLUNT50がF6である根拠として像位置が160mmで他例のF6望遠鏡と同じだから、という事でしょうか?
単純に考えて350mmでF6だと対物レンズ径が58mmとなります。
一般に対物レンズ径は有効開口径を示しますのでΦ50mmで350mmならばF7ですね。
ちなみにレンズの外径はレンズ抑えリングがΦ53.5mmなので、レンズ外径はそれ以下でないと
レンズセルにレンズが入りません。
レンズの外径ですらF6に達していないので
F6レンズをF7に絞って使っている説明に無理があると思います。
ここで話は完結してしましいますが、せっかくなので続きます。(ごめんなさい)
上記載の72,100,150mmも有効開口径を示しレンズそのものの外径は少し大きくないと
レンズセルに固定できないことになります。
改造前にLUNT50にカメラを付けてピントが出た位置から作図により逆算すると以下の通りとなります。
ただし第2レンズの径が目測でΦ25mm程度でしたので、その円内に平行光が通り第2、第3レンズの中間に
2枚のエタロンの中心がある、エタロンの中心はプレッシャーハンドルの位置であるという仮定で作図しました。
仮にエタロンを挟んでいる第2,第3のレンズ位置が前後しても第2,第3レンズ間は固定なので
単純にリレーレンズが平行移動するだけなので、結像位置は同じとなります。
実際のLUNT50の結像結果は以下の通りです。
第1-第2レンズの間隔 191mm
第2-第3レンズの間隔 27mm (リレーレンズ部分)
第2,第3レンズの口径Φ22.7(F7)F7でないと光が第2レンズで平行にならないから
第3レンズもF7でないと焦点距離350mmが違ってくるので
第3レンズからの結像位置 159mm
191+159=350mm
対物レンズ50mmでF7 となります。
メーカーページにも記載されています。
LUNT60のようにF6をF7に絞って使う場合は、きちんと記載があります。
Objective Aperture 70mm(H-alpha mode 60)という記載です。
レンズもFPL51なので一般天体観測も視野に入れたものとなっています。
価格もLUNT50とは大きく違うのは対物レンズ,エタロンユニット等の違いから来るものですね。
上記の数値で第3レンズからの結像位置159mmは実測値で正確です。
その他はリレーレンズ部分数ミリが前後する誤差はありますが
リレー部分なので結像自体に影響はありません。
数字や言葉だけでは理解しにくいかと思います。
またエタロンユニットの位置は有効に光を使う事に関して非常に重要です。
エタロンユニットの位置は大きく違ってもピントは出ます(リレーレンズ部分なので)
但し結像したとしても光束が第2レンズより大きくなっていないか(光がレンズ外にもれる)
等の検討が必要です。
この問題をクリアーにした上で明るさのムラの減少を考えてはいかがでしょうか?
ケラレ等、レンズの合成焦点距離ソフトの数値だけでは見えない部分が多くあり
CAD等で実物と光の軌跡を作図されて検討する事を強くお勧めします。
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rxs11434さん
こんにちは。
詳細なコメント誠にありがとうございます。
この課題、ご興味がある方が多いので多少驚いています。
Lunt50の設定値は実測というか、目測です。誤差±5mm程度で計算上辻褄が合う数値の一例でしょうか。
Lunt50が、F6かF7かについては、F6は単なる私の推測です。生涯生産数で数千個の製品では、コストダウンのため、光学部品を使い回していて、特に微妙なエタロンユニットの光学的な基本設計は変えないんのではないか、また、高価なEDガラスを使っている対物レンズは、光学設計上のF6を維持するために、最初から直径の小さいEDガラス素材を使って、製造工程はF6の治具を使って切削研磨しているというのは考えすぎでしょうか。
すみません、どちらにしても私の憶測に過ぎない考えです。
確かにケラレや絞りになっている口径が幾つも有って面倒な光学系には違い無さそうです。光学設計用のCADは機会があったら使ってみたいと思っています。
そんな感じで確認のため、このシリーズを書いていますが、気に入らないことやご無礼があればお許しください。
F6かどうかに悩む通りすがりの太陽観測初心者で、リスク高い系天体機材改造人です。
今後ともよろしくお願いします。
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こんにちは、金子と申します。
最初に名前なりを名乗るのが筋でしたね。
失礼があれば、お許しください。
気に入らない事は一切ありません。
日本も海外掲示板のようにディスカッションできれは有用な情報が知れていいな と思った次第です。
言葉にすると長文ですが話すと一瞬です。
要点を上手く伝えられなくて長文で申し訳ありません。
しかし、太陽望遠鏡は結構ハマりますね。
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金子さん、こんにちは。
私は、洗濯物優先のため未だ家族の同意が得られず、ベランダに太陽望遠鏡用の赤道儀を設置出来ていない有り様です。
動画で撮って面白い天体が有るというのを、太陽望遠鏡を覗いて初めて知りました。
”Lunt50にF6を”などという、大風呂敷を拡げてしまって、今後が心配ですが、どうぞよろしくお願いします。
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